公開日:2023/01/26
最終更新日:2023/04/03

工数管理の必要性とは?会社が成長するために必須といわれている理由

工数と経営課題

工数管理を行うことで、作業にかかった工数の確認だけでなく、従業員1人ひとりの労務費が可視化され、正確な原価管理を把握できます。
そのため、経営課題の解決を目的とし、会社としての生産性や利益を可視化するために、工数管理を導入する企業が増えてきています。
しかし、工数管理といっても、作業にかかった時間だけを管理するものから、従業員の労務費を可視化し実際にかかった原価を算出するものまで、さまざまです。
本記事では、なぜ工数管理が必要なのか、本来の正しい目的から改善できる経営課題、疎かにした際のリスクまで徹底解説していきます。

 

工数管理の必要性は?本来の正しい目的

工数管理とは、作業にかかった工数を把握するためだけではなく、プロジェクト毎の利益を正確に割り出す目的で行います。
工数管理を行う本来の目的は、プロジェクトごとの作業工数をつけて労務費を可視化し、原価管理をすることで経営改善につなげることです。

また、プロジェクトにおける利益は、売上から外注費や材料費、経費、労務費を差し引いて算出できるので、正確な労務費の把握が重要となります。
そのため、部長や課長などのマネジメント層が主体となり、工数管理を使ってプロジェクトに参加している従業員の労働時間を正しく管理することが大切です。

 

工数管理が必要とされている業種

  • 建築業
  • 製造業
  • システム業
  • クリエイティブ業
  • コンサルティング業

工数管理は、利益の算出を目的として労務費を把握するため、従業員の労働力が利益に直結する業種において必要です。
特に建築業・製造業・システム業などは、従業員の生産性に応じて利益が大きく左右されます。
理由としては、材料費や経費よりも人件費の割合が多く、1人あたりの生産性を向上できれば、その分原価がマイナスになり、利益を上げられるからです。
従業員の能力や生産性によって利益が発生する業種では、正確な原価を知るために工数管理を行いましょう。

 

工数管理によって改善できる経営課題

虫眼鏡と資料

工数管理を行うことで、プロジェクト毎の利益を正確に把握できるようになり、経営の課題解決に向けて、何をすればいいのか検討しやすくなります。
経費や外注費は簡単に算出できますが、人件費は従業員がどのプロジェクトに何時間かけたかを把握していないと、正確に算出できません。

しかし、工数管理を行うことで、プロジェクト毎の労務費が出せるようになり、受注額に対する利益を算出できるので、経営管理を行う上で非常に重要です。
さらに、赤字となっている・進捗が遅れているといったプロジェクト毎の課題もリアルタイムで把握でき、早期改善に向けた対策も行えます。
従業員1人ひとりの能力についても評価しやすくなるため、より生産性向上を目指すのであれば、正しい知識を持って工数管理を行いましょう。

 

プロジェクトの採算を可視化できる

工数管理を行うと、実際にどのプロジェクトに対してどれだけの作業工数がかかったかわかるので、正確な原価管理ができます。
もし、プロジェクトにおける売上情報だけを経営状況の確認材料に使ってしまうと、実際にどれだけ利益が出ているかを把握できません。

しかし、工数管理によってかかった原価を可視化できていれば、経営課題の発見や生産性をより向上させるヒントにつながります。
そのため、1つのプロジェクトにおける従業員ごとの労働時間を適切に把握できる仕組みを作り、実際の総労働時間との乖離が起きないよう管理しましょう。

 

赤字プロジェクトを早期改善できる

工数管理では、プロジェクト単位で原価を算出できるため、計画を下回っているプロジェクトをリアルタイムで把握可能です。
事前に設定しておいた計画(予算)に対して、想定よりも多くの工数がかかっている場合、すぐに軌道修正や追加料金をいただくなどの対策が取りやすくなります。

もし、赤字プロジェクトをそのままにしてしまうと、生産性の低下だけでなく、最悪の場合、経営状況が悪化してしまう可能性があります。
プロジェクトにおける課題を早期発見し、速やかに改善できれば、最終的な利益は改善されるため、経営状況の悪化は最小限に抑えられるでしょう。

 

プロジェクトや人ごとに作業工数を把握できる

プロジェクト毎に、誰がどれだけの工数をかけているか確認できるため、遅れている業務の改善や従業員への正当な評価を行えます。
たとえば、工数管理にて取得した優良モデルを分析すれば企業全体で業務改善ができ、生産性向上に向けた対策を取れるようになります。
さらに、従業員ごとに能力は異なるため、それぞれの活動状況を把握することで、適切なプロジェクトへの配置やモチベーションの向上が可能です。

また、過去の実工数をデータとして残しておくことで、新規案件が出てきたときの見積もり工数の参考として活用できます。
より精度の高い見積もりを出せるようになれば、無理のないスケジュール作成や適切な価格の提示ができるため、コスト削減にもつながります

 

工数管理を行わなかった場合のリスク

ビジネスマンとリスク

工数管理を行わないと、プロジェクト完了後に大赤字となっていた・生産性低下の原因が把握できずに改善できないといったリスクが発生します。
さらに、従業員の負担についても把握できずに、業務改善やメンタルケアが疎かになるケースも起こりがちです。
工数管理を行うことは、従業員の生産性向上を図るためにモチベーションを保つことや、健康管理においても非常に重要となります。
工数管理の目的は、原価を把握して適切な利益を把握するものではありますが、従業員にとってもメリットがあります。

 

採算が悪いプロジェクトを正確に把握できない

工数管理を疎かにしてしまうと、受注金額しか把握できないため、実際に採算が取れているのかどうかが把握できなくなります。
よくあるケースでは、受注金額が高くても実際に労務費を算出してみると大赤字だったということは決して珍しくはありません。
もし、1つのプロジェクトだけではなく、進行中の全てのプロジェクトで赤字が出てしまうと経営状況は悪化し、最悪の場合は倒産の危機となります。
採算の悪いプロジェクトを早期に撤退・改善できれば、リスクは最小限に抑えられるため、経営課題の解決につながります。

 

ボトルネックになっている原因が不透明になりやすい

従業員がどのプロジェクトにどれだけの時間を費やしているか把握できないと、何がボトルネックになっているのか判断するのが難しくなります。
1つのプロジェクトには複数人の従業員が参加するため、たとえリーダーが配置されていたとしても、細かい業務内容まで把握できないケースがあります。
さらに、業務の属人化といった課題があった場合、事前に対策できていないと、従業員の退職により、業務が進まなくなってしまいます。
現場の課題発見には、実際に働いている従業員の声を聞くことは重要となるため、ボトルネックの解消のためにも工数管理は重要です。

 

作業負荷が高い従業員の把握が難しい

勤怠管理だけでは、労働時間は把握できるものの、どのプロジェクトに誰がどれだけの負荷をかけているかまでは把握できません。
労働時間は平均的でも、特定のプロジェクトのみ他の人と比べて作業負荷が高かった場合、業務フローや人員配置に問題がある可能性があります。
従業員の作業負荷が高くなってしまうと、モチベーションの低下や離職率があがる可能性があるため、企業としては早急な対策が必要とされます。
工数管理を行えば、作業負荷が高い従業員に声かけをして業務改善や配置の変更、メンタルケアを実施可能です。
従業員のモチベーションの向上や健康管理を行うためにも、工数管理による作業負荷の確認は行うようにしましょう。

 

工数と勤怠の連携で精度の高い経営改善が可能になる

工数の入力は、実際の労働時間と一致していることが重要となり、もしズレが生じてしまうと正確な工数管理が行えなくなります。
実労働時間が8時間の場合、実際に入力している工数の合計時間が6時間であれば、1日で2時間の差異が発生します。
1ヶ月で20日勤務した場合だと、1人の従業員だけでも月間で40時間の工数が不透明となってしまい、正しい労務費が計算できません。
たとえ雑務や待ち時間であっても労務費はかかっているので、必ず「雑務」といったプロジェクトを用意し、実労働時間と結びつけることが重要です。

OZO3工数では、OZO3勤怠と導入することで実労働時間をそれぞれのプロジェクトに割り振ることが可能です。
さらに、1日の工数と勤務時間の整合性もチェックでき、総労働時間のズレが起きずに工数管理を行えます。
工数をつけることで、従業員の作業負荷がわかり、健康面や働き方としての安全向上にもなるため、工数管理システムの導入で、より精密に管理してみてはいかがでしょうか。

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柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

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