公開日:2023/03/31
最終更新日:2023/03/31

プロジェクト管理を成功させる工数のつけ方を徹底解説

プロジェクト管理の成功

工数管理とは、作業における工数を記録しておくことで、利益の確認や現在起きている課題を洗い出す目的で行われます。
工数管理を行えば、どこにコストがかかっているのか、コストの割に利益が上がっていない理由など、業務におけるお金の流れが可視化されます。
そのため、業務改善により利益を上げるためには、プロジェクト管理にて工数をつけることが重要です。
今回は、プロジェクト管理を成功させるために必要な工数管理ツールや、工数の付け方を詳しくご紹介していきます。

 

そもそも工数管理とは?

工数管理とは、プロジェクトにかかった工数を記録することで、利益の向上やボトルネックを解消するために行われます。
ただし、工数管理といっても経営層がイメージする工数管理と、マネジメント層がイメージする工数管理では大きな違いがあります。

たとえば、経営層からは会社全体の利益率を把握することで、事業の改善に役立てるための工数管理が求められます。
一方、マネジメント層としては、部署の生産性向上や進捗把握を目的とした工数管理を求められることが多いです。
このように、導入目的によって管理すべき工数や方法が異なるため、目的に合わせて行うようにしましょう。

 

工数管理は大きく分けると2種類ある

  • プロジェクトごとの工数を確認するための管理
  • 案件ごとの工数や進捗を確認するための管理

プロジェクトごとの工数を管理するためのツールは、どのプロジェクトにどの程度の作業工数がかかっているかを可視化する機能が充実しています。
さらに、リアルタイムで稼働しているプロジェクトが赤字になっていないかも確認できるので、速やかに改善できます。
そのため、経営の可視化や改善に役立てることができ、経営層の欲しい情報を得られる工数管理が可能です。

一方、案件ごとの工数や進捗を確認するための工数管理ツールでは、従業員ごとにどの程度の工数がかかっているか確認できる機能が充実しています。
従業員ごとの負担や遅延しているプロジェクトも可視化できるので、能力と作業量に応じて適切に業務を割り当てられるのが特徴です。
これは、作業を可視化させるためや、チームの生産性を向上させる目的として導入されることが多く、マネジメント層向けの工数管理ツールとなっています。

工数管理ツールは、どちらか一方の機能が搭載されているものから、両方の機能が搭載されているものもあります。
導入する際には、自社にとってどのような課題を改善したいのか、どのような工数管理をしたいのかによって選ぶようにしましょう。

 

プロジェクト管理を行う本来の目的

プロジェクトにおける利益を正確に把握し、経営改善を行うことがプロジェクト管理の目的です。
そして、プロジェクト管理で把握できる利益とは、売上から労務費・材料費・経費などを差し引くことで可視化されます。
このとき、プロジェクトによって、行う業務や従業員のスキルが異なるため、正しく管理しなければ労務費が可視化されずに利益がマイナスになることがあります。

たとえば製造業の場合、従業員のスキルや業務時間が利益に直結するので、プロジェクト管理による生産性のチェックは非常に重要です。
そのため、従業員によって業務が偏っていないかどうか、材料費や経費は適切かを工数管理にて把握することが大切となります。
プロジェクト管理による精度の高い労務費の可視化が求められるため、経営者やマネジメント層が先導して行っていくようにしましょう。

 

プロジェクト管理を成功させるために重要な工数のつけ方5つ

走るビジネスマンと時計

プロジェクト管理を成功させるには、できるだけ精度を高く工数をつけることが重要となり、正しい知識のもと行う必要があります。
例えば、工数の付け方は精度を上げるためと細かくしすぎてしまうと、工数管理自体が負担となってしまうので、注意しましょう。
また、工数の入力は当日中に行うことが望ましく、忘れる前に正しい情報を記載する必要があるからです。
このように、負担にならないレベルでの工数管理を行いつつ、正しい情報を記載することで、精度の高いプロジェクト管理を行うようにしましょう。

 

①工数の項目を細かくしすぎない

「工数管理の細かすぎる例」

プロジェクト名 工数の項目 タスクの項目 作業時間
ABC株式会社 システム構成企画 仕様書作成 3h
同上 同上 スケジュール作成 2h

工数管理の項目は、主に経営層やマネジメント層が決めることになりますが、実際に入力するのは、プロジェクトに携わっている従業員です。
初めて工数管理を取り入れる場合、従業員は工数の入力に慣れていないので、できるだけシンプルな項目にしなければなりません。
もし、タスクまで分解して工数管理するとなると、入力も管理も大変になるので、システム構成企画といった工数の項目までがおすすめです。

また、従業員が工数入力を負担に感じてしまうと、正しい情報ではなく適当に入力されてしまう恐れがあるため、本当に必要な項目かどうかも精査が必要です。
なぜ工数管理が必要なのかといった説明を行い、作業負担にならない程度の項目設定にてプロジェクト管理を行うようにしましょう。

 

②工数の入力は可能な限り当日中に行う

工数の入力は、できるだけ後回しにせず、かかった工数がうろ覚えにならないうちにつけることが大切です。
後日まとめて行うと、正確な工数管理ができず、プロジェクトにどの程度の利益が出ているのか判断できなくなります。
さらに、当日中に工数をつけられれば、リアルタイムでプロジェクトの状況を可視化できるため、問題が発生していたら速やかに対処できます。
できるだけ、当日中に工数の入力をするようにし、遅くても翌日の朝までなどルールを決めて運用しましょう。

 

③勤務時間とかかった工数を一致させる

工数管理を行ううえで、非常に重要となってくるのは勤務時間と入力する工数を一致させることです。
実際に8時間働いているにも関わらず、その日の工数は7時間しか書かれていないと、正しく労務費を算出できなくなります。
勤務時間と工数がずれてしまうと不透明な費用が発生してしまい、精度の高い工数管理ができないため、必ず勤務時間と一致していることが重要です。
雑務などの時間に関しても、しっかりと工数として項目を作成し、実際の勤務時間とズレがないように従業員にも周知して管理をしましょう。

 

④予定工数と実績の差を確認する

予定していた工数と実際に入力された工数に、どれほどの差があったか分析することも重要です。
予定工数と実績の差分を把握することで、次回以降の契約を行う際に、より精度の高い工数予測と見積もり金額の算出が行えるようになります。
また、大体の工数が契約前にわかっていれば、受注金額を決める際にも役立ちます。
まずは、予定工数の作成を行い、プロジェクトの終了時にはどれくらい差があったのか、次に活かすためにはどうすべきかを確認しましょう。

 

⑤標準単価を決めてリアルタイムで分析する

標準価格とは、従業員ごとに1時間あたりの労働時間で、単価がどのくらいになるのかを事前に決めることです。
このとき、従業員ごとで労務費の単価が異なるため、主任・係長・課長など、役職ごとに決める必要があります。
標準単価を決めることで、主任が1時間の工数をかけた場合、労務費としてはいくら発生しているかを瞬時に算出できるようになります。

プロジェクトの工数をつけることで、原価としてどれだけの費用がかかっているかリアルタイムで把握が可能です。
その結果、予定を大きく上回る場合はすぐに対策を打つことで改善が可能となるので、経営課題の改善を行うことができます。
しかし、Excelを使って月次のタイミングのみ集計・分析を行う工数管理だと、リアルタイムでの把握が難しくなります。
集計時にはすでにプロジェクトが赤字になっていた、なんてことが起こりがちなので、工数管理ツールにより効率化させるのをおすすめします。

 

工数管理ツールを選ぶときに注目すべきポイントは?

チェックするビジネスマン

工数管理は、Excelでも行えますが、どうしても工数管理ツールと比べると入力や集計する手間がかかってしまいます。
プロジェクト管理するために、工数管理に負荷がかかってしまうと本末転倒になります。
そのため、効率的に工数管理を行いたい場合は、工数管理ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ここからは、工数管理ツールを導入する際に、注目して欲しいポイントについてご紹介していきます。

 

自社にとって必要な機能があるか確認する

工数管理ツールを導入する目的によって必要な機能が異なるため、必要な機能を明確にしてから選ぶことがおすすめです。
工数管理ツールの料金相場は、1ユーザーあたり500~1,500円と幅広く、平均は1,000円前後となります。

料金の違いは搭載されている機能によって異なるので、多機能のものを求めるのであれば、1ユーザー1,000円以上の料金がかかることもあります。
たとえば、プロジェクト管理をする目的で工数管理ツールの導入を検討しており、作業進捗の把握や可視化なども行いたいとなると費用は高くなります。
一方、プロジェクト管理に特化した機能のみであれば、1ユーザー500円以下で導入することも可能です。
そのため、工数の入力だけでなく分析にも特化したグラフ化できるようなものが良いのか、工数を数値化するだけでいいのか、事前に決めておきましょう。

 

勤怠管理と連携できるか確認する

プロジェクト管理を厳密に行いたい場合、勤務時間と工数が一致していることが重要となります。
しかし、手作業で勤務時間と工数を突合させて確認するのは非常に手間になるため、勤怠管理と連携できる工数管理ツールがあると便利です。
勤怠管理と連携している工数管理ツールであれば、1日の労働時間のうち、どのプロジェクトにどの程度の工数がかかったか、合計時間を割り振れます。
勤務時間と割り振った工数が一致しなかった場合、エラー表示を出せるツールもあるので、工数と一致しているか確認する手間をゼロにできます。

 

スマホ対応しているか確認する

従業員ごとにパソコンが支給されていないケースや、現場仕事といった直行・直帰の場合は、工数管理を行うのが困難です。
しかし、スマートフォンで工数を入力できるツールがあれば、わざわざ事務所に戻って工数をつける必要はありません
出勤していない場合でも工数管理ができるように、スマートフォンからでも、工数の入力や確認がしやすいかどうかも、検討事項に入れておくとよいでしょう。

 

プロジェクト管理において工数分析は必要不可欠

プロジェクト管理は、特に従業員の生産性が利益を左右するクリエイティブや建設業・製造業などにおいて必要不可欠といわれています。
プロジェクト管理の一環として、工数管理により業務内容を明確にしたことで、労務費が正確に算出でき、利益が把握しやすくなります。
その結果、赤字プロジェクトの改善や業務改善による生産性の向上につながり、利益向上を目指すことが可能です。
しかし、実際にプロジェクト管理を行うには、従業員による入力が必要不可欠となるため、管理しやすく作成しなければなりません。

OZO3工数では、勤怠管理とセットで導入できるため、勤怠の記入時に工数も入力できるようになります。
さらに、勤怠管理をかかったプロジェクトに割り振れるので、工数が一致しているか確認する手間もありません。
また、スマホにも対応しており、場所を問わずに工数管理を行えるため、さまざまな働き方に対応しているのが特徴です。
実際に、無料トライアルにて使用感をお試しいただけますので、工数管理ツールをお探しの方は、ぜひお問い合わせください。

資料請求はこちら
The following two tabs change content below.

柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

最新記事 by 柏倉優 (全て見る)