公開日:2023/01/26
最終更新日:2023/09/28

今さら聞けない稟議と決裁の違いは?社内決裁をスマートにする秘訣

稟議と決裁の違い

申請書のやり取りの際に、稟議と決裁という言葉をよく聞くけれど、具体的にはどのような違いがあるのか疑問に思ったことはありませんか?
稟議は、高額なソフトの購入時や契約の際に、複数人による検討を受けたうえで承認をもらうことで、決裁は最終的な意思決定のことです。
稟議と決裁は、高額の購入や何らかの決定の必要がある業務にて使われることが多く、混同されやすいですが、そもそもの意味は異なります。
今回は、稟議と決裁の違いや社内決裁を効率化する方法など、ワークフローを行う際に必要な知識についてご紹介していきます。

 

混同されやすい「稟議」と「決裁」の違いとは?

稟議や決裁は、上長による検討と承認の必要がある事柄に対して発生するもので、どのような業種・業界でも扱われます。
業務上、上長へ稟議を提出する・決裁をもらうことはよくあり、初めて携わる従業員だと、どのような違いがあるのかの判断は難しいでしょう。
稟議と決裁では、承認の対象者数やそもそもの意味合いが異なるため、混同しないように注意しなければなりません。
ここでは、稟議と決裁の違いや、関連業務として良く聞くワークフローとの違いについてもご紹介していきます。

 

稟議とは?

稟議とは、従業員が物品の購入や契約書を締結する際に、上長や管理者に可否を検討してもらい承認をもらうことです。
たとえば、高額な物品の購入だと上長だけではなく財務部といった他部署への確認が必要となるケースでは、稟議申請が必要になります。
上長だけでなく、社内規則に合わせて管理者や社長による検討・承認を必要とするものを稟議と覚えておきましょう。

 

決裁とは?

決裁とは、承認が必要な申請に対して、最終的な決定を指す言葉です。
稟議は上長や管理者に可否のお伺いを立てるものに対して、決裁は意思決定を行うといった意味合いとなります。
たとえば、稟議申請で課長・部長・社長に承認されて可決となる場合、最終承認者である社長のことを「決裁者」と呼ぶこともあります。
社内規則に則り、検討が必要なものは稟議を行い、最終的な決定は決裁となると覚えておくようにしましょう。

 

稟議とワークフローの違い

稟議とは、会社や部署としての意思決定が必要な事柄や、金額の高い物品やソフトなどの購入時に可否を得ることです。
ワークフローとは会社内で決められた規定に則って、申請から決裁を得るまでのプロセスのことを指します。
具体的には、稟議は会社の規定に則って承認をもらう必要があるので、ワークフローが複雑になるケースも多々あります。
そのため、ワークフローシステムを導入し、稟議書ペーパーレス化して申請から決裁までを効率化する会社が増えてきました。

稟議に関連する間違えやすい言葉と正しい意味

稟議に関連する言葉 言葉の意味
稟議 起案者が上長や管理者に案を提出し承認依頼を行う
起案 承認の必要な提案を文書として作成する
承認 提案内容を正当だと認める
否認 提案内容を認めずに否定する
差し戻し 起案者へ提案を戻す
決裁 起案者の提案に対し、上長や管理者が可否をだすこと

稟議と決裁の違いについてご紹介していきましたが、稟議を行う際の一連の流れで発生する言葉はいくつかあります。
実際に稟議を行う際には、たとえば物品購入のための稟議書を従業員が作成し、承認してもらえるか上長に依頼をします。
その後、上長は承認・否認を行い、修正により承認できるのであれば、コメントとともに差し戻しが発生し、最終的には決裁されるのが流れです。
稟議が決裁されるまでにはいくつもの流れがあり、どれも意味合いがことなるため、間違えないようにしましょう。

 

紙による稟議や決裁の課題

課題を抱えるビジネスマン

紙による稟議や決裁における課題には、受け渡しの手間やどこで文書が停滞しているのかがわからないなどがあります。
例えば、テレワークや営業で社外を回っている従業員の場合、紙でのやり取りだと出社しなければ申請・承認作業ができないため非効率です。
また、記入ミスがあると最初から書き直す必要がある・入力ミスに気づきにくいといった課題もあります。
差し戻しの際にも、金額の修正といった書き直しが発生すると、手間となってしまうのでできるだけミスをしないようなワークフローを構築しなければなりません。

 

稟議書を受け渡しするのが手間

稟議書の受け渡しが対面でしかできない場合、テレワークを導入している場合でも、わざわざスケジュールを合わせて出社しなければなりません。
さらに、申請者だけでなく、承認者である上長も出社が必要で、デスクに置いておくなどの方法にて受け渡しが発生します。
もし、手渡しでなくデスクに置くといった間接的な受け渡しだと、稟議書に気づかずに承認が遅れる・承認漏れが発生するなどの可能性があります。
急ぎで確認してほしくても、スケジュールが合わないとなかなか承認がもらえないケースもあり、出社の機会が少ない従業員にとっては非効率となるでしょう。

 

稟議書がどこで停滞しているのかわからない

紙による稟議書だと、現在誰が所持しているかが不明瞭となりやすく、申請者は承認者にわざわざ確認しなければどこで停滞しているのかわかりません。
もし、複数人による回覧の必要な稟議書だと、確認するのにも時間がかかってしまい、従業員に余計な負担や時間を使わせてしまいます。
また、現在どこに稟議書があるのかわからない場合、紛失や盗難といったリスクにも注意が必要です。
稟議書の承認をもらう際には、手渡しだけでなくメールでも依頼を行うといった、停滞しないような工夫を行いましょう。

 

記入ミスをすると書き直しになる

紙での稟議書だと、もし記入ミスしてしまった場合には1から書き直しとなるケースもあるため、非常に面倒です。
訂正印が許可されているのであれば、多少のミスは許容範囲ですが、大きく間違えてしまった場合には書き直しが発生します。
また、申請書のフォーマット自体を間違えるケースもあり、申請後に発覚したとなると時間のロスになります。
ミスが起こりやすい箇所が明確なのであれば、フォーマットから作り直すといった、ミスの起きない工夫は必要でしょう。

 

社内決裁の手間を効率化するためには?

矢印を支えるビジネスマン

紙による稟議書の課題は多々ありますが、手間を削減して効率化するには、社内ルールや運用方法が従業員にとって難しいものとなっていないか見直しましょう。
また、ミスが多い箇所があるのであれば、項目の見直しやフォーマット変更を行い、ミスが起きにくくなるような工夫も必要です。
もし、稟議書だけでなく請求書や契約書など、さまざまな文書も扱っているのであれば、ワークフローシステムの導入により効率的に管理できます。
まずは社内ルールやよくあるミスの洗い出しを行い、より効率化を求めるなら、ワークフローシステムの導入を検討してみましょう。

 

社内ルールや運用方法を見直す

社内ルールにより、稟議書の申請方法が難しく作られていると、それだけで時間を取られてしまいます。
さらに、複雑な承認ルートを設定してしまうと、誰に稟議書を回せば良いのかがすぐに分からずに、管理者宛への問い合わせが増えることもあります。
そのため、まずは社内ルールや運用方法が適切に作られているのか、無駄な作業や承認者が多すぎていないかを確認しましょう。
もし、不在になりがちな承認者がいるのであれば、誰か一人でも承認すれば決裁まで申請を進められるような仕組みを作るのもおすすめです。

 

よくあるミスを洗い出して稟議書の項目を見直す

現在のワークフローで、度々ミスが起こっているなら、稟議書の項目の見直しにより、効率化が進む可能性があります。
ミスの洗い出しを行い、不要な項目が作られていないか、申請書ごとに正しく作られているのかを確認してみましょう。
また、入力必須項目には※印を付ける・太字にするといった対策を取れば、記載漏れによる差し戻しを減らせます。
もし、申請書の種類が多すぎるのであれば、できるだけフォーマットを合わせるように作りつつ、場合によっては統一するといった工夫をしてみましょう。

 

ワークフローシステムを導入して電子化する

社内決裁の効率化は、ワークフローシステムを導入して文書の電子化を行うことで実現できます。
紙でのやり取りではなく、申請から決裁までをすべてオンライン上で完結できるので、出社する必要はありません。
インターネットさえ繋がっていれば、スマートフォンやタブレットから申請できるものもあり、出社の機会が少ない従業員でも利用しやすくなっています。
申請状況はリアルタイムで可視化されるため、申請漏れや紛失の心配もなく、効率よく社内決裁を進めたいのであれば、ワークフローシステムがおすすめです。

 

ワークフローシステムを選定するときの注意点

ワークフローシステムは、紙での運用方法とは異なるため、社内ルールの変更が必要やシステムの操作を覚えるなどの手間がかかってしまいます。
さらに、紙に比べると誤入力や記載漏れが発生しやすくなっており、メリットばかりではないこともあります。


しかし、ワークフローシステムを安定運用できれば、人件費や作業工数の削減、リアルタイムで申請状況を確認できるなどのメリットは大きいです。
たとえば、社内ルールの変更は承認ルール設定の際には人名ではなく役職名で登録するといった、長期的に運用できる仕組みにすれば将来的には手間がかかりません。
誤入力や記入漏れに関しては、必須項目の設定やプルダウンメニューから選択式で選べるような機能を搭載している製品であれば、解決できます。
ワークフローシステムには、さまざまな機能を搭載している製品が多く販売されているので、まずは見積の取得や無料トライアルを活用してみてはいかがでしょうか。

弊社の提供するOZO3ワークフローでは、エクセルで作成した稟議書のフォーマットから文字色までをそのままシステムに取り込める機能を搭載しています。
取り込んだ申請書は、問題なければそのまま申請を行えるため、難しい操作を覚えることなくご利用いただけます。
導入時にも弊社の担当者が初期設定の操作説明やご希望であれば代行もしておりますので、ワークフローシステムを検討されている方はぜひお問い合わせください。

無料トライアルはこちら
The following two tabs change content below.

柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

最新記事 by 柏倉優 (全て見る)

監修者

執筆者