公開日:2023/06/22
最終更新日:2023/06/22

稟議書をシステム化するには?主な機能から導入時の注意点まで解説

稟議システムとは

業務を行う上で稟議書を取り返すことは非常に多く、紙による処理ではなくシステム化して業務効率化を図りたいと悩んでいませんか?
稟議書をワークフローシステムで申請・承認作業を進めることで、保管コストの削減や承認スピードの向上といったメリットがあります。
しかし、紙の稟議書をそのままデジタル化するのが難しく、承認フローは紙の方が自由度は高いといった注意点もあるので、導入時には綿密な検討が必要です。
本記事では、稟議書とワークフローの違いや、システム化するメリット、注意点など、網羅的に解説していきます。

 

稟議システムとは?

稟議システムとは、紙で処理している稟議書を電子化できるシステムのことを指します。
実際のシステム名称としては「ワークフローシステム」のことを指しており、導入することで、稟議書をシステムで申請・保管が行えます。

稟議書を電子化し、メールにて承認をもらうのも一つの手ですが、複数人から承認をもらう場合や承認ルートを可視化させるのは難しいのが現状です。
さらに、稟議書を電子化したとしても、承認後の保管方法や後から見返す際には、正しく保管されていなければ探すのに時間がかかります。
しかし、ワークフローシステムであれば、文書管理システムとの連携ができる製品もあり、承認・決裁の完了した文書を正しく保管できます。

また、稟議書は承認・決裁が終わったら終わりではなく、同じような案件が発生した時の参考にすることもあります。
監査の際には、必要な書類を提出するように指示されることもあるため、文書管理システムと連携できるワークフローシステムの活用がおすすめです。

 

稟議とワークフローの違い

稟議とは、上長から承認をもらう必要のある製品の購入や契約をする際に、承認してもらえるよう伺いを立てることです。
基本的に従業員の独断で製品の購入や契約をすることはなく、上長から承認をもらう必要があるため、稟議書が活用されています。

そして、ワークフローとは申請書の作成から上長から承認・決裁をもらうまでの業務の流れのことをいいます。
このように、稟議書の作成から承認をもらうまでの業務の流れのことをワークフローというため、稟議と意味が混同しがちですが、全く別の意味です。

 

稟議システムを導入するメリット

ワークフローの流れ

稟議書をシステム化することで、紙に比べると保管コストがかからない・稟議書の流れが可視化されるので催促しやすいのがメリットです。
さらに、複雑な承認ルールを自動化でき、承認スピードの向上も見込めるため、業務効率化を進めるのに有効といえます。
稟議書は、会社ルールによって金額に応じて承認者が増えたり、記載事項が変わったりと申請が複雑になりがちです。
さまざまなルールに対応できるシステムであれば、申請のためにルールを確認する必要もないので、申請から承認までがスムーズになります。

 

保管コストがかからない

稟議書を電子化できれば、保管スペースの確保が必要なくなるので、保管にかかる費用を抑えられるのがメリットです。
紙による保管の場合、印刷代やインク代、コピー機の費用だけでなく、保管スペースの確保や保管ボックスの購入といったさまざまなコストがかかります。
しかし、電子化してしまえば印刷代やコピー機は必要なくなり、保管スペースもサーバー内だけとなるので多くのコストはかかりません。
稟議書が紛失しないように管理をする人件費もかからないため、従業員の負担軽減としても有効です。

 

稟議書の流れが可視化される

稟議書が電子化され、ワークフローシステムでやり取りができれば、リアルタイムで進行状況をチェックできます。
紙でのやりとりは、複数人から承認をもらう場合、リアルタイムで誰が持っているのかが不明瞭になりやすいです。
さらに、稟議書の承認依頼を多くこなしている上長の場合、チェック漏れや紛失が発生する可能性もあり、最悪の場合、インシデントが発生します。

しかし、電子化した稟議書をワークフローシステムで申請から承認までさせることで、チェック漏れや紛失のリスクは発生しません。
承認がされずに止まっている場合、承認依頼のアラートが自動で送られる製品もあるため、スムーズに承認作業を進められるようにもなります。

 

複雑な承認ルールを自動化できる

ワークフローシステムでは、金額に応じた承認ルートの変更や、稟議書の種類によって承認者を変更するなど、承認ルールを自動化できます
購買稟議の場合、金額に応じて承認者が変わるように設定している会社も多く、ルールが複雑化しがちです。

また、会社全体に関わるシステムを導入する際には、1つの部署だけではなく複数の部署から承認を得なければならない場合もあります。
稟議書にも複数の種類があるため、種類に合わせてルールが決められていると、申請するだけでも非常に時間がかかります。
しかし、複雑な承認ルールに対応したシステムを導入することで、承認依頼先を間違えてしまうといったミスも無くなるでしょう。

 

紙よりも承認スピードが向上する

稟議書が電子化されることで、インターネット上で申請書の作成から承認まで依頼ができるため、場所を問わずに申請業務を行えます。
たとえば、上長が出張に行っていたとしても、スマートフォンやパソコンから承認をもらうことができます。

紙の場合、上長が出張から帰ってくるまで待たなければならないといった、タイムロスが発生しやすいのが課題となっています。
契約締結をするための稟議書だと、スムーズに承認がもらえないことにより利益の損失が起きる可能性もあり、承認スピードの向上は非常に重要です。
そのため、稟議書の電子化を行うことは業務効率化だけでなく、生産性向上としても非常に効果があるといえます。

 

稟議システムを導入する際の注意点

FAQの文字

稟議をシステム化するのはメリットが多いですが、紙の稟議書をデジタルで完全再現するのは難しい場合があります。
急遽、いつもと承認ルートを変更したい場合では、紙の方が自由度は高いことも考えられます。
また、既存システムと連携できない製品もあり、業務のDX化を進めにくくなることもあるので、注意が必要です。
システムを導入する前には、事前にどういった使い方をしたいのか、どのような課題を解決したいのかを明確にし、適切な製品を選ぶようにしましょう。

 

紙の稟議書をデジタルで完全再現するのは難しい

システムでフォーマットを作成する際には、紙の稟議書をデジタルで完全再現するのは難しい場合があります。
ワークフローシステムには、エクセルで作成したフォーマットを読み込んで使えるものもあります。
しかし、システムで最初からフォーマットを作り直さなければいけないケースがほとんどです。

そのため、何度もフォーマットを作り直さなくて済むように、まずは稟議書の項目の見直しとして、記入漏れや間違えやすい箇所の洗い出しを行いましょう。
そして項目やレイアウトが決まったら、ワークフローシステムでフォーマットを再現できるか確認することが大切です。

 

承認フローは紙の方が自由度は高い

システムの場合、承認フローはあらかじめ設定したものとなるので、状況に応じて変更するのが難しいことがあります。
紙の稟議書の場合、稟議内容に応じて「この稟議はこの人に承認してもらおう」と、承認者を自由に変えたり、追加したりできます。
しかし、自由に変更・追加ができる反面、属人化しやすく、社内でルールが定まらないといった問題が発生しやすい点に注意が必要です。

そのため、稟議書をシステム化する際には、ワークフローシステムの承認経路がどこまで自由に設定できるか確認しておく必要があります。
たとえば、申請書の種類や金額の高さに応じて承認者を自動で変更できるものであれば、稟議システムでも紙のように自由な承認依頼が可能です。
さらに、事前に承認ルートを設定するため、属人化せずに社内ルールに準じて業務を進められるようになります。

 

既存システムと連携できないと予想外の手作業が発生する

稟議書が決裁された後の流れは、契約業務や経理業務につながるので、稟議システムとその他のシステム間で連携が必要です。
もし、システム間連携ができていないと、手作業で稟議の内容を入力したり、ファイルを添付したりしなければなりません。

連携するシステムは、文書管理システムや経費精算システムなどがありますが、どのシステムと連携させたいのか明確にしておきましょう。
まずは、事前に扱う稟議書の内容と既存システムとの連携性を確認し、導入後に予想外の手作業が発生しないように準備しておくことが大切です。

 

稟議システムの主な機能

システムの流れ

稟議書をシステム化できるワークフローの主な機能には、申請書作成や承認作業のシステム化や承認ルートの設定などがあります。
また、入力規則・必須項目の設定ができるものもあり、従業員情報や顧客先情報とよく使うデータをプルダウンから選択できる便利機能が搭載されています。
基本的に、どのワークフローシステムでも稟議書の作成から申請・承認までをシステム上で対応できますが、製品によって細かなルールは異なります。
ここからは、稟議書のシステム化に対応したワークフローシステムの主な機能についてご紹介していきます。

 

申請書作成・承認機能

申請書の作成は、すでに雛形が用意されている製品もあり、導入後すぐに利用できます。
既存のフォーマットがある場合でも、エクセルの取り込み機能のあるシステムなら、フォーマットをそのままシステム化が可能です。
具体的には、エクセルで作成した稟議書のフォーマットをシステムに読み込み、フォントサイズから文字の色までそのままシステム上に反映できます。

また、承認作業では、スマートフォンから対応できる製品もあるため、出張先や移動中にも確認や承認がしやすくなっています。
さらに、未承認の稟議書があると、定期的にアラートで「承認してください」と通知を出せるため、承認漏れを未然に防げます。
現在、どこまで申請書が進んでいるかも明確になり、申請が止まっているのであれば催促しやすいのも特徴です。

 

承認ルートの設定機能

稟議書の種類や金額に応じて承認ルートを自由に設定できるので、申請者が毎回承認ルートの確認をする必要はありません。
複数の部署から承認を得なければいけない案件の場合、同時に承認作業が進められれば非常にスムーズになります。
たとえば、営業部・総務部へ同時に承認依頼を行えるように、並列型ルートの設定ができる製品だと、より効率化が進みます。

また、金額や稟議書の種類、内容にといった条件に応じて承認ルートを分岐させられる機能が搭載されていれば、会社ごとのルールに柔軟に対応可能です。
さらに、1人でも承認すれば決裁者へ申請書を回すといったルール設定ができる製品もあるので、承認ルートの設定はしっかりと確認しておきましょう。

 

入力規則・必須項目の設定機能

日付や従業員の名前、取引先情報といったよく使う情報をあらかじめシステムに登録しておくことで、プルダウンから選択するように設定できます
さらに、必須項目を設定しておくことで、入力漏れを未然に防げるようになり、申請書の差し戻しの数も削減することが可能です。
申請書の差し戻しは、入力ミスや入力漏れにより発生しがちなので、あらかじめシステムに登録しておくことで申請ミスの発生を未然に防げます。
最終承認者までチェックが進んだ後に差し戻しが発生してしまうと、余計な時間がかかってしまうため、ミスが起きにくい設定ができるか確認しましょう。

 

稟議システムを導入して業務を効率化しよう

稟議書をシステム化することで、コスト削減から業務効率化まで進められるため、承認作業に時間がかかっているなら、導入するのがおすすめです。
扱っている稟議書の種類が複数あり、ルールが細かく分かれているのであれば、申請者としては申請に時間が多くかかり負担となります。

さらに、承認者となるのは役職を持った従業員のことが多く、多忙になりがちなため、なかなか承認業務が進まないことがあります。
しかし、稟議書がシステム化できれば、申請業務の多くが自動化され、承認作業も非常に簡易的になるため、申請者と承認者の手間を削減できるでしょう。

弊社の提供するOZO3ワークフローでは、稟議書だけでなく請求書や契約書といったさまざまな文書の電子化に対応しています。
複雑になりがちな承認ルートの設定も柔軟に対応可能で、エクセルで作成されたフォーマットもそのままシステムに取り込むことができます。

また、入力規則や必須項目の設定にも対応しているため、稟議書の申請業務から承認作業までを効率化できます。
無料トライアルや資料をご用意していますので、稟議書をシステム化したいとお悩みの際はぜひご相談ください。

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柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

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