公開日:2022/11/24
最終更新日:2023/03/07

ワークフローの改善ポイントをチェックリスト形式で解説

ワークフローの改善点

ペーパーレス化やテレワークが普及する中、ワークフローを活用しているけど、より効率よく業務をするために、具体的にどこを改善すればいいか悩んでいませんか?
主な改善点には、運用体制の見直しがあり、無駄な工程や時間のかかっている箇所が明確になるため、業務効率の向上につながります。
また、ワークフローをペーパーレス化すると、クラウド上で文書の作成から承認まで行えるため、紙での運用に比べるとより効率化が可能です。
本記事では、ワークフローの改善すべきポイントをチェックリスト形式でご紹介していきます。

 

ワークフローを改善するために必要なことは?

まずは、承認フローや入力ミスの多い項目を洗い出すといった運用体制の見直しを行っていきます。
運用体制のなかで時間のかかっている作業の見直しや省略できる作業を廃止し、より効率的に運用できるように改善しましょう。
そして、決裁文書が多いのであれば、ワークフローシステムを活用することで、ペーパーレス化や承認作業の効率化を行えます。
このとき、ワークフローシステムの導入だけだと、根本的な問題は解決できない場合が多いため、まずは運用体制の見直しから始めましょう。
ここからは、ワークフローを改善するにあたり、運用体制の見直しとシステム化した際の注意点や気をつけるべきことをご紹介していきます。

 

ワークフローの改善すべきチェックリスト

チェックリスト

  1. 職務権限規程(権限表)を見直す
  2. 承認フローを見直す
  3. 間違えやすい項目を見直す
  4. 停滞しやすい工程を見直す
  5. 情報共有の体制を見直す

ワークフローを活用する上で見直すべきポイントは5つあり、職務権限規程や承認フローなど、運用体制の見直しを行っていきます。
まずは職務権限規程の見直しを行い、誰にどの文書の決裁権限があるのかを明確にします。
さらに項目や工程、情報共有体制の見直しを行い、より業務効率化を進めていくことが重要です。

 

①職務権限規程(権限表)を見直す

項目 詳細 取締役会 稟議書 社長 本部長 部長
経営・計画 経営計画・事業計画の策定
組織・人事 社内規定の制定・改廃
総務・渉外 年度教育計画の決定

はじめに役職による権限範囲や決裁権限を文書化した、職務権限規程(権限表)が適切に作成されているかを見直しましょう。
理由としては、職務権限規程や決裁権限表は、承認ルートや決裁者を設定する際に必要となるためです。
また、職務権限規程や決裁権限表はただ見直すのではなく、法令や経営実態に沿った内容か、正しく運用されているかを確認しなければなりません。
そのため、年に一度、もしくは組織変更や人事異動を行うたびに、実際の運用体制と相違がないか見直していくことが大切です。

 

②承認フローを見直す

「承認フローの見直すべき項目」
●申請内容に対して承認者が適切か
申請書類や金額などに応じて、承認者または承認人数が適切か確認
●承認経路が見直しやすいか
組織変更や人事異動のたびに、承認経路の見直しが必要になっていないか確認

承認フローの見直しでは、各申請書に対して承認者が適切であるか見直しを行っていきましょう。
例えば、承認者の順番では一次判定を経営管理部がすると、「そもそも申請書があっているか」といった、会社の規則に沿った申請かチェックできるのがメリットです。
しかし、経営管理部の承認を二次判定者にすると、申請書の間違いや入力ミスがあった場合、一次判定からの再申請になる可能性があります。

一方、経営管理部は他部署の実務的な内容を把握できていないため、一次判定時に業務内容による間違いに気づけない場合があります。
この場合、一次判定で行った工数が無駄になってしまうため、一次判定者を経営管理部にするか、直属の上長にするかは検討しなければなりません。
また、承認経路については、個人名で指定してしまうと組織変更や人事異動の度に承認経路を見直す必要があるので、役職で設定することをおすすめします。

 

③間違えやすい項目を見直す

●記入漏れといったうっかりミスが多い場合
フォーマットや項目の位置を見直す
●計算や入力ミスなどのケアレスミスが多い場合
関数やシステムの機能を使って自動で計算・入力されるようにする

よくある間違えやすいものは、記入漏れといったミスがあげられるため、フォーマットや項目の位置を見直しましょう。
このとき、システム化するのであれば、よく記入漏れがある項目を入力必須に設定し、入力されていないと警告メッセージを表示させたり申請できないようにするのも手です。

また、計算ミスなどのケアレスミスであれば、従業員が計算しなくてもいいように、関数やシステムによって自動で計算されるようにします。
または、入力内容が決まっているのであれば、プルダウン形式にして選択項目から選んでもらえば、単純な打ち間違えのミスを防ぐことが可能です。

 

④停滞しやすい工程の管理体制を見直す

●外回りなどによって物理的に承認する時間が取れない場合
スマホやタブレットなど、外出先でも扱いやすいシステムが必要
●特定の役職者に負荷がかかって滞っている場合
申請状況を可視化し、必要に応じて声掛けしやすい環境を作る

営業や出張など、従業員が物理的に承認を行う時間を取りにくい場合、スマホやタブレットなど、手軽に確認できるシステムを導入することで解決できます。
さらに、病欠や有給休暇中など、一時的に承認が滞ることもあるので、代理の判定者を決めておくことも重要です。
また、上位役職者の場合、物理的に業務量が膨大なため、どうしても文書の承認作業が滞りやすくなります。
そのため、「社長決裁が必要で申請中のもの」など、特定の条件で検索できるシステムを導入し、必要に応じて直接社長に声をかけることで対策することも可能です。

 

⑤情報共有の体制を見直す

●部署間や拠点ごとに情報共有を行う必要のある場合
部署間・拠点間ごとで必要な情報を分けて、情報共有体制を見直す

申請内容によっては、部署間や拠点間での承認作業が必要になることがあるため、情報共有体制の見直しも重要です。
ワークフローシステムなら、承認しないと次に進まないため、確実に見たことを管理できるようになります。
例えば、部署や拠点間ごとに承認が得られるように承認経路を設定することで、効率よく情報共有の改善ができます。
情報共有だけなら掲示板のツールやメールでも済みますが、この方法だと閲覧したかどうかを把握できないため、正確に情報共有したいときに有効です。

 

ワークフローシステムを選定するときのポイント

先を見据えるビジネスマン

ワークフローシステムの選定は、自社の運用体制とマッチしているものを選ぶことが大切です。
例えば、申請書の作成や経路設定が自社のルールと合っているのか、従業員・管理者目線で直感的に使用できるのかを確認します。
また、導入に不安がある場合は、サポート体制の豊富な会社を選ぶことで、トラブルが発生した際でもスムーズに解決できます。
ここからは、ワークフローシステムを選ぶ際に確認したいポイントについて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

申請書の作成や経路設定が思い通りにできるか

申請書作成機能では、エクセルで作成したフォーマットをそのままワークフローシステムに読み込むことで、自動でレイアウトを反映できるものがあります。
新たにシステム上で申請フォーマットを作成する必要がなく、従来のエクセルを編集してシステムに取り込むだけなので、システム特有の操作を覚える必要はありません。
また、金額に応じて承認ルートの条件が変わるのであれば、経路設定が思い通りにできるシステムを選ぶことが大切です。
このように、自社で想定している運用方法にあったシステムかどうかを確認することで、手間をかけずにワークフローシステムを導入できます。

機能名 できること
申請書作成 ・各種申書のフォーマットを搭載
・エクセルで作成した申請の取り込み機能
・データベースに登録した情報の呼び出し(プルダウン選択)
・過去データの再利用
経路設定 ・金額に応じた条件分岐といった複雑な承認経路に対応
・承認ルート変更時の担当者へのメール通知
・代理の承認設定

 

従業員・管理者目線で直感的に使用できるか

従業員や管理者によって使う機能は異なるため、 どちらの目線でも直感的に使用できるか確認しておきましょう。
例えば、実際に承認を行う従業員が使いやすいよう、ライセンス更新などを支払う際の稟議書であれば、過去の申請データを再利用できれば業務効率化につながります
また、管理者が使うのは基本的に承認ルートの設定や権限設定などですが、多くの社員を抱えている会社だと手作業での入力が非常に面倒です。
そのため、エクセルに登録した従業員データをシステムに読み込ませることで、 従業員の情報を一括で登録できる機能があれば手間なく管理できます。

 

導入のサポートはどこまでしてもらえるか

ワークフローシステムを導入する際、マニュアルに書いてある内容だとわかりにくい場合には、 システムを提供しているサポートに聞くことでスムーズに解決できます。
しかし、実際は問い合わせをしても返答が遅く、待たされる場合があるため、不安のある場合はどこまでサポートしてもらえるのか事前に確認しておきましょう。
また、製品によってはより効率的に利用できるよう、他のシステムと連携できるものもあります。
システム連携作業までサポートしてくれる製品であれば、 複数のシステムを一括で効率化可能です。

 

ワークフローシステムは他システムとの連携も重要

文書とノートPC

ワークフローシステムは、会計システムや人事システムなど、他システムと連携させることで、 より業務効率化につながります。
実際の例としては、会計システムに登録された経費精算の情報を申請書へ自動で反映することが可能です。
このように、他のシステムとワークフローシステムを連携させることで、これまで二度手間になっていた入力作業を効率化できます。
ここでは、 ワークフローシステムと連携できる外部システムについてご紹介します。

 

ワークフローシステムと連携すべき外部システム

連携すべき外部システム名 効率化できるポイント
会計システム 経理担当者の負担を軽減
人事システム 組織管理が手軽に行える
購買管理システム 購入品情報を自動で登録
チャットツール 申請状況をより把握しやすく
電子契約システム 承認後の契約締結をスピーディーにできる
文書管理システム 決裁後の文書を正しく保管

ワークフローシステムと、「会計システム」「人事システム」「購買管理システム」などの基幹システムを連携させることで、より業務負担を軽減できます。
稟議書といった文書の内容は、さまざまな基幹システムにも登録されるため、連携できれば入力の二度手間を防げます。
また、チャットツールや電子契約システムと連携できれば、よりスピーディーに申請から決裁まで完了できるのも魅力です。
さらに、2024年からは電子取引に係る文書はすべて電子保存が義務付けられるため、文書を一元管理できるシステムと連携できるかも確認しましょう。

 

ワークフローシステムだけで問題を改善するのは難しい

ワークフローシステムは非常に便利ですが、システムの導入だけでは解決できない課題も多いのが現状です。
そのため、まずは運用体制の見直しから行い、自社の運用方法とマッチした機能や使い勝手のあるワークフローシステムを導入してみてください。

弊社が提供するOZO3ワークフローでは、エクセルで作成された申請書を、そのまま取り込むことで、デザインから情報まで自動で登録できます。
さらに、社員情報も簡単に管理できるよう、エクセルを使った一括管理にも対応しています。
また、外部システムとの連携を検討している方向けに提案から連携作業も提供していますので、お困りの際はぜひお問い合わせください。

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柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

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